導入事例

2025.11.20

高精度ツーリングソリューションとLeitz Referenceによる品質保証

SUMCA (Société d’Usinage Moderne Carbure Acier)

ラヴァルに近い、アンブリエール レ ヴァレに本社を置くSUMCA (Société d’Usinage Moderne Carbure Acier) は、モビリティ、エネルギーおよびエレクトロニクス部門顧客に50年間革新的ツーリングソリューションを提供してきました。
 
同社はカーバイドや粉末鋼(>60HRc)をはじめ、超硬質材料の機械加工に注力しています。SUMCAは、磨き、EDM(放電機械加工)、測定、検索、HSM(高速切削)まで、高精度ツールの供給に関係する仕上げ加工プロセスをすべて提供しています。
 
現場は、高精度な型押ツール界の主流となる技術を開発し、業界標準となってきました。単一部品のみで、輸出からの売上げ高が85%を占めています。

Leitz ReferenceおよびHP-O 光学センサーによる穴の内部掲示用測定。

 

2000年以来、SUMCAは従業員が株式を保有しています。同社は、提供できる付加価値がチーム全体のノウハウであることを誇りにしています。「私たちのロードマップは、人材と研修計画、私たちのすべてのチーム・メンバーとの密接な関わりを通して、成長を促すこと、および職務の満足度に基づいています。」と、SUMCA社長であるジャン=ミシェル・サーブル氏は説明します。
 

SUMCAは大規模なクライアント・グループと協業しており、設計と営業チームの仕事は、顧客の発想に挑戦することです。
「私たちの組織は比較的小さいですが、大規模な顧客に大きな変化をもたらすこともできます。私たちの専門知識と助言は、クライアントに提供する重要な価値です」とサーブル氏は言います。「私たちの目標は、クライアントの現在と将来のニーズを理解し、各市場で要求される精度を保証することです。」顧客の生産スタッフと現場への頻繁な訪問を行うことで、顧客の必要条件について工場での理解が促進されています。
 

「2017年の自動車市場で間近に迫る混乱の時代についてのドキュメンタリーによって、競争力を維持し、将来指向であり続けるために、会社で必要な技術シフトに関して再考しました」と、SUMCAコマーシャルディレクターのトレヴァー・ハード氏は振り返ります。「当時、自動車セクターの売上げは全体の40%を占めていました。顧客はヘッドライト、衝撃吸収装置および安全装置のメーカーでした。私たちの思考の根幹は、将来の水素あるいは電気自動車産業での地歩を築くことにあります。革新の根拠となっているのは、私たちの忠実な顧客、プロセス・パートナーおよびさまざまな学術機関との協力により、明日のニーズを満たすツーリングと手法です。」

「聞く力」を持ったパートナー

現代のツーリングサプライヤーとの協力は「聞く力」を持ち、生産のさまざまな性質の変化にあわせた提案を行うパートナーの存在を意味します。生産ラインの熟練度やオートメーションへのトレンドによって、ツーリングはわずかな変動さえも許容されません。SUMCAのツールは、迅速かつ容易に機械に取り付ける準備ができており、生産された部品の品質とコストの点から、十分な利点を活用できることを意味します。
 

顧客は会社の大黒柱です。顧客の期待を満たすことを保証するため、SUMCAはオペレーションに品質管理システムを統合しており、2006年以来毎年ISO監査に合格してきたことを誇りとしています。SUMCAのライトモチーフは、工具製作者で、機械を愛する2人の設立パートナーによる1979年の創業以来、常に精度であり続けてきました。部品の綿密検査を保証するため、同社は2018年に品質管理部を配置替えし、空調完備で±1°Cに温度範囲が保たれ、高密度LED照明を備えた特別スペースに移転しました。測定チームは、5人の専門の計測技術者から成り、その他設備に加え3台の三次元測定機を使用しています。

 

粉体圧縮の分野では、粉末小粒の大きさは5ミクロン未満です。かつては、こうした部品は約10ミクロンの精度を要求していました。「創業からまもなく、カリパスやウェッジなどの標準計測器の使用に加えて、高精度の提供を証明することが必要になったため、三次元計測器が検討されました」とジャン=ミシェル・サーブル氏は思い出します。

SUMCAのワークショップに設置された最新世代のCNC機。

 

SUMCAの最初の座標計測器となったLeitz PMMはチームの標準を定めました。
 

「その後、他社サプライヤーのCMMも使用しましたが、測定に不確実性が残っていました。私たちの顧客のニーズおよび要求の進化に合わせて、部品の内部を測定することも求められるようになりました。
 

HP-Oは、サブミクロン分解能で、バイポーラのプレートの測定を可能にします。

 

「プローブ調査測定では、ボールのサイズあるいは部品の深さの測定には制約がありました」とサーブル氏は説明します。HP-Oの「魔法の杖」(同社での機器に付けられたニックネーム)は、周波数調整された干渉計の光学距離測定に基づいた光学センサーです。これはLeitzにまつわる状況を決定づけ、Leitz Reference機の購入が決定しました。「以前には測定が不可能だったものを測定できるようになったため、この機器を魔法の杖と呼んでいます。これは競合企業に対する大きな利点です。キャビティの測定ができることは極めて異例なのです」とトレヴァー・ハード氏は言います。

Leitz Reference

 

Leitz Referenceは、必要な精度が保証されるまで、部品生産の全体にわたって使用されており、製造工程の不可欠な要素となっています。測定される部品形状は複雑です。最大の能力は内部形状では400mmのワーク高さ、外部形状では700mmのワーク高さで、1500×800テーブルが利用可能です。「割り出しヘッドでも固定ヘッドでの測定でも、すべての状況で精度が保証されます」とサーブル氏は言います。
 

Leitz Reference Xiシリーズのマルチセンサー・コントローラーも、光学測定センサーを統合するために使用されています。Leitz Reference Xiの秘密はその名前にあります。「Xi」とは「fle『Xi』ble」(柔軟性)に由来しています。「方向転換台、非接触および接触測定機器など、私たちは付属品すべてを高速システム(例えばQuickChangeなど)に適応させました。これは工作機械で、SMED(型の一分交換)手法が必要不可欠であることと同じです」と彼は説明します。オペレーターのKilian氏は、「HP-OとQUINDOSソフトウェアは機械の真の勝利のコンビネーションです」と付け加えます。
 

SUMCAにとって、理論上の設計部品を生産部品と比較する能力は、極めて重要です。型とモールド成型のすべてのアプリケーションで、360°エアギャップは、ツールが正常に作動することを保証するために必須となっています。複雑な形状でもデジタル化できることは、製作チームが一貫したツールを提供する上できわめて重要です。「私たちの計測技術者にとって、半径測定に限界はありません。内部形状でも、外部形状でも、チームは形状を確認し保証する手段を手にしています」とサーブル氏は付け加えます。
 

Leitz Referenceの購入は、フランス・ルランス支援基金の助成によって実現しました。「フランス・ルランス支援基金の助成を受けたことで、機械への投資が容易になりました」とサーブル氏は言います。
 

SUMCAはプロジェクトで3つの主なs焦点を示しました。機械セクター(水素セクションを含む)の近代化、従業員に様々なスキルを高める機会を与える人材の側面、そして工場内装設計の環境要素です。SUMCAでは、さらにHexagonの特典を活用しました。Hexagonでは、広範囲の新しいデモ機を顧客に提供しています。

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