導入事例

2025.10.21

三次元測定機を活用しエアロフォイルを数分で測定

高度なレーザースキャン技術により、素材や表面仕上げに関わらず、ブレードのプロファイルを高速かつ正確に測定可能

エアロフォイルを数分で測定

エアロフォイル・ブレードの検査は多くの時間を要します。非常に高いレベルの精度および正確性を必要とするため、品質管理は生産プロセス自体とおおよそ同じ時間がかかります。エアロフォイルあるいはタービンブレードの形状は、広範なアプリケーションで劇的に異なっています。

 

これらの特徴には固有の許容差があり、潜在的なきずは、空気力学特性の変化により、燃料効率の低下を引き起こすおそれがあります。

 

特に、損耗から生じるフラット・スポットのように、名目上のリーディングエッジ形状と実際の形状に相違がある場合、こうした問題が発生します。さらに、ブレード自体にも危険なホット・スポットを引き起こす場合があります。

 

GLOBAL Speed 三次元座標測定機(CMM)とあわせて、HP-L-10.10レーザスキャナはエアロフォイル・ブレード全体を迅速にカバーし、ほとんどの材質や表面仕上げも容易に測定できます。

 

触覚測定の課題と非接触計測の優位性


 

エアロフォイル検査に必要な精度のレベルを達成するため、通常の方法では触覚測定戦略が用いられています。これは高精度ではありますが、直線的な動きの中でワークの表面に沿って物理的に接触するのは時間がかかり、場合によってはブレードにダメージを与えることもあるためです。

 

今後数年で、さらに40,000機の航空機が必要となることが予測され、航空宇宙産業では、より高速な品質管理が求められています。エアロフォイル・ブレードの部品検査では、従来の非接触測定システムは、柔軟性・精度・スループットの3つの要因で妥協点を含んでいました。HP-L-10.10レーザスキャナはこの妥協点の問題を解決します。短時間で複雑なオブジェクトをスキャンし、毎秒最大600,000ポイントをキャプチャできます。さらに、レーザーラインスキャン技術の優れた処理能力と高いポイント密度により、真の意味での効率化が実現しました。

 

非接触ブレード測定はよりスマートに

これまで、部品の表面の反射率および屈折率が変わる部分では、三次元座標測定機(CMM)オペレーターは検査に先立って部品にスプレーを塗布するなどの調整を行う必要がありました。手動のプロセスは容易に反復できず、表面へのスプレー塗布は測定精度にも影響します。HP-L-10.10レーザスキャナは、Hexagonの系統的高知能ノイズ除去(SHINE)テクノロジーにより、この必要性を除去します。SHINEは、航空宇宙分野で一般的な反射面からも高品質で高精度なデータを収集する機能を提供することで、航空宇宙メーカーに貢献しています。

 

非接触測定のため、反射面を持つ新型ブレードでもマークが残る心配はありません。このセンサーは高い光学系ダイナミックレンジを備えており、手動での調整を行うことなく、異なるブレード表面間をスムーズに移動してスキャンが可能です。本ソリューションを活用することで、わずか1時間ほどでエアロフォイルの複数セクションをスキャンすることができ、検査工程におけるボトルネックの大幅な解消が期待できます。

 

三次元測定機とレーザー・ライン・スキャナーを使用することで、発電用の小さなコンプレッサーから大きなタービンブレードまで、異なるサイズのブレードすべてを容易にスキャンできます。このセンサーは長いレーザー・ライン(最大90mm)を使用します。これは、短い時間でブレードの全表面をスキャンできることを意味します。さらに、柔軟なスタンドオフおよび可変スキャン速度に対応し、重要な場所でより綿密な検査を必要とする場合は、レーザー速度を落としてズームインし、高い点群密度でスキャンできます。

 

視覚表示によるサポートと報告

このソリューションの独自の特徴は、視覚表示によるサポートと報告機能が増強されている点です。スキャン完了後、ユーザーはソフトウェアでワークのカラーマップを生成できます。外観検査がはるかに容易になり、ここから、オーバービューカメラ(OVC)が問題のあるエリアを撮影できます。このような写真の添付は報告書とプレゼンテーションにおける理想といえるでしょう。その場で撮影した画像をキャプチャして共有することで、設計・エンジニアリング・生産の各プロセス間のコラボレーションが促進されます。OVCの写真はディスカッションに情報を提供し、設計または生産プロセスにおけるエラーを見つけ、修復する業務をサポートします。

 

PC-DMIS Bladeによる一貫制御

完全なソリューションとしては、Hexagonの代表的な計測ソフトウェアPC-DMISのアドオンであるBladeで、検査プロセス全体を制御することができます。PC-DMIS Bladeは産業と共同で、エアロフォイル・メーカーのためのターンキーソリューションを形成する目的で開発されています。

 

PC-DMIS Bladeで、生産および品質管理技術者は、シンプルなユーザーインターフェース内で、エアロフォイルの複雑な形状を測定できます。異なる測定ルーティンのセットアップも簡単です。プロフィール、平均キャンバ・ライン、端厚さ、コードおよびねじり角度といったブレードの重要な特性を容易に構成し、検査の報告を行うことができます。エアロフォイル・ブレードの品質検査は、効率のステップに変革をもたらしました。 非接触測定システムによって、高速で正確な結果をご提供いたします。

 

HexagonのManufacturing Intelligence Divisionの製品を組み合わせることで、この複雑な品質検査プロセスをより速く、よりシンプルに、よりスマートに行うことができます。

 

SHARE

© Hexagon Manufacturing Intelligence Japan