導入事例

2025.10.21

工作機械測定は、ポータル・フライス盤の生産性を支援

Hexagon電波タッチプローブよびHxGN NCサーバーは、航空宇宙産業用のカスタム・フライス盤の品質を保証

航空宇宙産業向けカスタム・フライス盤開発プロジェクト

F. Zimmermann GmbH の航空宇宙産業顧客は、飛行機操作盤面用の複雑なチタンサスペンションを製造する特注ポータル・フライス盤開発を依頼しました。新システムは、生産パス、すべてのフライス作業、マシン構成部品検査のプログラミングを扱う必要がありました。Zimmermannはこの案件を引き受けるにあたって、カスタム・ビルドで生産部品の製造過程・仕上げの品質検査を管理するためHexagonの工作機械測定ソリューションを選びました。

 

ドイツのNeuhausen auf den FildernにあるZimmermannは、高機能ポータル・フライス盤および水平マシニングセンタで知られた技術リーダーです。輸出指向の機械企業であり、世界中の37か国に550台を超えるマシンを納品しています。

 

スプリングバックや曲がり測定誤差を回避するために、構成部品のプロセス内測定は、クランピング中に直接行なわれます。


 

顧客に効率的な高精度切削プロセスを保証する標準化されたマシンの供給に加え、Zimmermannでは、さらに複雑な特注アプリケーションの課題に対応するため、個々の特注切削ソリューションの開発・生産も行っています。

 

顧客の要求とシステム仕様

Zimmermannの航空宇宙産業顧客の1つは、さまざまな新しい機能および利点を備えた特注ポータル・フライス盤を求めていました。Zimmermannでは、特殊機械加工ツール・セットと、構成部品の生産パスのプログラム、さらにフライス盤自体上での測定を可能にすることを顧客から要求されていました。

 

「私たちは特注品メーカーであり、大量生産メーカーではありません。」Zimmermann輸出営業ディレクターSteffen Nüssle氏は語ります。「しかし、マシンはモジュール設計のため、通常特定の顧客およびアプリケーション必要条件に比較的容易に適応させることが可能です。一部の特注フライス盤は、アジアの航空機サプライヤーで既に使用されています。しかし、この新たなシステムは、私たちがこれまで提案したものを超えるものでした。」

 

チタンサスペンション製造における精度要求

Zimmermannの顧客が生産する必要のある構成部品は、飛行機操作盤面用のおよそ1.5mのチタンサスペンションでした。機械加工上の課題は、長さ990mm以上のワークピースに縦に並べられた突起部に存在する12の穴です。顧客は17mmの口径で、許容差H7を指定する高精度を要求しました。穴の変動は18ミクロン以内である必要があります。

 

さらに、穴の同心度の変動は構成部品全体の長さに対して50ミクロン未満である必要があり、突起部は高精度で構成要素の表面に対して厳密に垂直であることが要求されていました。

 

Hexagon測定ソリューションによる品質保証

新しいマシンで構成部品の品質を保証するため、ZimmermannはPC-DMIS計測ソフトウェアを用いて、フライス盤上で部品を直接測定するHexagonの最新世代無線タッチプローブとHxGN NCサーバを採用しました。選ばれたプローブは、穴の測定時にクロスプローブの挿入が可能です。

 

PC-DMISは、三次元測定機からポータブル測定アーム、レーザートラッカーまで、幅広い測定ニーズをサポートする業界をリードする計測ソフトウェアです。

 

HxGN NCサーバは、生産工程のすべての段階でオペレーターが全自動PC-DMIS測定ルーチンを容易に作成・実行できるようにし、Zimmermannの顧客の生産自動化を支援しました。特に、チタンのように硬く機械加工が困難な材料において、その価値が大きく発揮されます。

 

スプリングバックや曲がり測定誤差を回避するため、構成部品のプロセス内測定はクランピング中に直接行われます。コストのかさむスクラップが発生する前に、システムは適切なタイミングでツールエンゲージメントの限界や許容差の逸脱を検知します。

 

検査・測定工程の最適化

完成部品はすべて、工作機械上で再検査されます。一部は顧客のCMMで最終品質検査が行われ、品質保証プロセスが完了します。

 

さらに、マシンサイズはおよそ X=8500 mm × Y=3900 mm です。将来的により大きな構成部品を製造する場合でも、利用可能な測定ソリューションがあることで、顧客に安心を提供します。三次元測定機のサイズに制約はありません。

 

「私たちは、安定した高精度を求める航空宇宙顧客のために高機能切削システムを構築することに集中しています」とNüssle氏は語ります。「このため、この特注品およびその他多くのマシン上でPC-DMISとHxGN NCサーバを使用しました。このソフトウェアは確立され、品質保証プロセスで性能が証明されています。私たちはシステムの測定パフォーマンスおよびマシンユーザーの効率を押し上げる貢献に対して完全な確信を持っています。」

 

自動測定と品質管理の効率化

HxGN NCサーバは必要な測定プログラムを自動的に実行し、ルーチン測定後にはPC-DMIS報告書を生成します。機械オペレーターはボタンを押すだけで、チタン構成部品は最終測定プロトコルの生成まで、すべての生産および検査ステップを自動的に通過します。その他のオペレーター操作は必要ありません。

 

NC Server操作画面


 

PC-DMISは、全品質管理プロセス全体にわたって測定結果の確認を簡素化し、顧客のCMM測定との直接比較を可能にします。Zimmermannと顧客は、現場のフライス盤から品質管理室CMMまで一貫した測定操作性を評価しています。複数のソフトウェアツールにオペレーターを割り当てる必要がないことも大きなメリットです。

 

「最終結果として、Hexagonのサポートにより、実績ある工作機械測定システムを含む難易度の高いターンキー高性能切削ソリューションを構築し、顧客に大変ご満足いただけました。」

 

「システムの測定性能およびこの特注機械のユーザーの生産性を押し上げた貢献に対して、私たちは確信を抱いています。」

Steffen Nüssle、輸出営業ディレクター F. Zimmermann GmbH
 

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